生地を裁断しようとしたとき、あれ?生地が歪んでる?って感じたことありませんか?
生地は購入した状態の時、歪んでいることがあります。
本当ならまっすぐに折られているはずなのに、斜めに引っ張られている感じです。
この歪みに気付かずに、そのまま型紙を置いて裁断してしまうと・・・
なんと歪んだ作品ができてしまうんです。
そんなことになったら悲しいですよね(涙)
裁断前には、生地が歪んでいないか確認し、生地の地直しをするようにしましょう。
ここでは、生地の地直しの方法についてご紹介していきます。
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どうして、地直しが必要なの?
生地は、作られて販売されるまでのさまざまな工程の中で、歪みが生じることがあります。
まっすぐであるはずの部分が曲がっていたりします。
チェックやストライプなどの柄だと、歪みがわかりやすいです。
歪みのあるまま、裁断して作品を作ってしまうと、使っているうちに布目が元に戻って、作品が型崩れしてしまいます。
せっかく作ったのにそんなことになったら悲しいですよね。
また、綿やリネンなどの縮みやすい生地は、地直しとして水通しをして最初に縮ませてから裁断することで、その後の縮みを少なくすることができます。
生地の地直しには、大切な役割があるんですね。
地直しにはどんな方法がある?
地直しには、水通しをする方法とアイロンのみでゆがみを直す方法があります。
水通しが必要なのは、綿と麻。
綿と麻は縮みやすいので、水で湿らせた後にアイロンで地直しをしていきます。
化学繊維は水で縮むという性質はないので、水通しはしなくて大丈夫です。
天然繊維でも、ウール(羊毛)は水で縮む性質はないので、水通しは不要です。
あれ?ちょっとまって、ウールのセーターを洗濯で失敗して縮んじゃったことがあるけど・・・そんな方もいますよね。
実はそれ、水に濡れたことで縮んだのではなく、毛の繊維が絡み合ってぎゅっと小さくなってしまっただけなんです。
絡みをほどいてあげれば、縮みは直るという訳です。
ウールの縮みを直す方法はこちらで詳しくご紹介しています↓
では、生地の種類ごとの地直しの方法をご紹介します。
綿・リネンの地直し方法
① 生地の直角をわかりやすくしておく。
地直しをする際に、生地の耳に対しての直角がわかると、地直しをしやすくなります。
直角をわかりやすくするには、ヨコ糸を抜く方法か布を手で裂く方法のどちらかがおススメです。
■ヨコ糸を抜く方法
平織りの場合は、直角に交差しておられているため、横糸を一本引っ張って抜くと、耳と直角がわかります。
これで、耳(タテ地)に対して直角がわかったので、あとでアイロンをかけて地直しするときの目安になります。
■布を手で裂く
平織の布は、ちょっと切れ目を入れて手で裂くことができます。
ゆがみが強く、耳が引っ張られたようになっている場合は、ゆがみがなかなか直らないので、思い切って耳の部分を端から3~5cmくらい切り落としてから地直ししましょう。
② 縮みやすい生地か確認
実は、最近の日本製の綿やリネン生地は、水通しをしなくてもいいように作られているので自宅での水通しは不要と言われています。
ですが、海外製の生地では、水通しが必要な生地もあるかもしれません。
その見分け方が難しいですよね・・・
なので、綿と麻の場合は水通しをした方が無難ですが、生地寸法が大きいし、水通ししたくないな・・・という時は、まずは小さい生地で、縮む生地か縮まない生地かを確認する方法がおススメです。
■10cm×10cmの生地で生地の縮み度合いを確認する方法
10cmあれば、縮んでいないことになりますので、事前の水通しは不要です。
もし9cmしかなければ、1cm縮んだことになるので、10%の縮みになります。
100cm丈のワンピースを作ったら、90cm丈になってしまうという計算です。
縮みが大きいようでしたら、事前の水通しが必要になりますので、面倒くさがらずに事前の水通しをしましょう。
水通しが不要の場合は④へ進んじゃいましょう。
③ 水通しをする
生地を畳みます。
生地が大きい場合は、蛇腹に畳むと中まで水が浸透しやすくなります。
たっぷりの水に、生地を浸し、できれば30分くらいつけて水分を含ませましょう。
洗濯機で軽く脱水して(薄い生地なら絞るだけでも)、半乾きになるまで干します。
半乾きのなるまで乾かします。
④ アイロンをかけます
半乾きの状態でアイロンをかけていきます。
完全に乾くとシワが伸びづらくなってしまうので、乾かしすぎた場合は、霧吹きで軽く湿らせましょう。
布目が曲がっていないか生地をよく見て、曲がっているようなら、下記図①のように手で引っ張って整えてからアイロンをかけていきます。
アイロンをかけ方で、歪みを直すどころかゆがみを作ってしまうことにもなりかねませんので、慎重にアイロンをかけましょう。
■水通しをする時間がない場合
時間がなかったり布を干す場所がなかったりする場合は、たっぷりのスチームでアイロンをかけるか、霧吹きを使って生地を半乾きくらいに湿らせてドライアイロンをかけましょう。
このやり方でも、生地を濡らして高温アイロンをかけることになりますので、縮みやすい生地は縮んでくれるはずです。
ウールの地直し方法
綿やリネンと同様に、ヨコ糸を抜いた部分をカットしておきます。
① 生地の裏側から霧吹きをたっぷりかけて湿らせます。
② ビニール袋に入れて1~2時間置いてなじませます。
③ 生地の裏側からアイロンをかけます。耳に対して平行か直角にアイロンを滑らせます。斜めにかけると生地が伸びるのでNG!
その他、化繊などの地直し
アイロンを中温か低温し、当て布をしてアイロンをかけます。
まずは生地の端っこにかけてみて、大丈夫そうなら全体にかけていきます。
シルクやアセテートなど、水に濡れると品質が落ちるものは、スチームアイロンもNGです。
取り扱いが難しそうな生地は、購入する際にお店の人に洗濯方法やアイロンのかけ方などを聞いておくと安心です。
まとめ
生地の地直しと水通しの方法についてまとめましたが、いかがでしたか?
いちばん扱いことが多い綿は、地直しは面倒ですが、
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